キャプテンさん  初めてのクルーザーレース体験記

 2月8日、沼津、風光明媚でいいところです。富士山の真下、透明ではとてもとても素晴しいとこです。今日はYAMAHA31のキャプテンM氏のお誘いでTBFからしょうきち、ジェット、そして六城が乗せてもらいに来ています。夏はTBFの合宿に最適かもね。

 当日は東急田園都市線の江田で三人をピックアップしてもらい、東名をびゅーんと飛ばせば一時間と少しで沼津です。あんがい近いんですね。艇は入り江の養殖場をハーバーに転化した場所で、30年ほど前は20杯程度しかいなかったが、いまや安さと風光明媚さで10倍に膨れ上がっ ている庶民的なハーバーです。

皆で艤装中  M氏も普通のサラリーマンでありながら、尋常ではない「ヨットバカ」です。以前は江ノ島、野尻湖でホッパーを乗られており、その後クルーザーに 転向されて既に4杯目だそうです。

スキッパーとメイントリマーは地元沼津のメンバーの方、キャプテンとしょうきちがジブを担当、バウマンがジェット、あとは錘ということで話はまとまる。あまり役立たんと思うけどがんばりま〜す(^^;?

 艇はファーラー仕様(巻き取り式)のジブセールではなく、都度ハリヤードにつなぐという男気仕様である。キャプテンの考えでクルーの皆さんすべてにいろいろ仕事をして愉しんでもらおうという判断だそうだ。つーよりも、キャプテンのM氏はめちゃめちゃ負けん気が強いのと、もともとからレース派なので速くすること以外は興味なしつうことです。(余談:「てんとう虫」号という可愛い名前であるが、船名はミーティングしていた喫茶店からそのままいただいたとのこと。頓着しない 人柄はこちらも同様なので気が合う)

 入り江はポカポカ陽気でしょうきちは半そででセールフィッティングをしていた。こちらも16年前のアディダスのジャージを着ていたら、 しょうきちとジェットは古臭いという。このジャージは大学のとき新調したもので、学生時代は「ブルー3本ラインジャージにオレンジ色のナイロンウインドブレーカー」という体 育会系の正装で46時中いたものです。原宿あたりでは70's80'sファッションで復活しているのをシラネェナ(^ー^)

 寄せ集めの6名で出航、すぐにカニンガムのカムクリートが破損!まぁまだ大丈夫なようで、えんやこらとセールを上げる。入り江は風がないが、湾に出ると結構風があり寒い。すでに8mほど吹いてるのかな?パドジャケを着ていたが念のためにドライスーツを着たが、すぐに大正解だと気付いた。

 スタートは11:00。コースは 気負沖ー大瀬崎ー牛臥ー大瀬崎ー気負沖 の約15マイル。雄大な富士山をバックに内浦湾を縦横に走ります。

 No.1ジブをジェットがつけて、スタートラインのアウター側に位置する。本船からフォンが鳴っていないが「カウントを読め」と言われてよく見るとP旗が揚がっているジャン!(@_@;)レレレ・・・
 手が空いているのは私(ろくじょう)ぐらいなので舷側から本船を睨みつけていたが、結局振り向いたときにはP旗は下がっていた。(面目 ない!)○| ̄|_ ガックシ

 風は西からブローで南西と上ってきている。それでもなんとかキャプテンのカウントでアウターギリギリでラインを切る。

 結構いいスタート、第一マークの大瀬崎までは片登りとなるのだが、ルームがあるのでスキッパーの判断ですぐタックすることにする。「はいタック〜」ジブがシバーして、止まりました(笑)原因はウインチに逆巻きに巻いたので、しょうきちがウインチアップできなかったこと(しょうきち談:ひさしぶりのクルーザーなので、時計回りがどちらまきかわかんなくなった・・・)次のスタボーから少しづつ学習して問題なくなっているが、一方のM氏がクッタクッタである

 スタート時点でどんどん風は吹き上がり10m前後、31ftあればまだまだ余裕。くっきりと映える富士山を仰ぎ見つつ楽しいセーリン グです。

 でも遅い!なんでや!

 40ftクラスが多いので、あっというまに先行されていますが、同クラスでもちょっと登りが悪いです。

 ここで一句   『富士山や、前に船団後ろなし、嗚呼、絶景かな!』

 原因はヒールを潰せないこととのことかな・・・オーバーヒール気味でなんとか登ってます。どの船も同じようなものです。この強風下で沼津からレーザーとテーザーが出てました。テーザーも下りではめちゃめちゃ揺れていて難儀している様子。

 大瀬崎のマークまでは難行苦行、山側から吹き降ろす風(15m)で、振れまくりのブローありの何がレイラインだかわかりまへん。マーク回航後、ジェットがセットしてスピンを上げる。フレフレの強風下でははっきりいって怖いです。次の登りではジブをNo.1→No.3にするためジェットと俺とでジブを降ろし、No.3をセット。ランニングは休めるかなと思いきや結構忙しいのね。

 でもなんとか下マーク近くまで行くが、クレーンを積んだバージがポート側から近づいてきます。近づいてくれるなと祈るけど、号令一発いやいやながらみなさん死ぬ気でジャイブしてバージをやり過ごす。

 でかいスピンを揚げたおかげか、最下位ではない位置でマークを回る。

 登りはNo.3のジブに替えたお陰でだいぶ快適に登る。スプレーでジェットが水浸しになっている。こちらも頭から潮を被っているがドライ なので快適。ジェット曰く「陽射しがこれほどありがたいことはない・・・」

 この風だからもう使うことはないだろうという予想は打ち砕かれ、スキッパーの方から「スピン、パッキングしといて!」とお声がかかる 。オミソレいたしました、必死で作業させていただきました・・・。

 さてドンブラコ、ドンブラコと再び大瀬崎のマークに向う。入り江の口にいやらしくマークが打ってあるので、マークに近づくほどシフトとブローでコースが読めない。先行艇も苦労している様子。
 こちらは余裕でオーバーセールしてマーク回航。

 キャプテンM氏がやっぱりスピンを揚げると言って、小さなスピンを繋ぎに行く。やっぱりバタバタしてスピンを揚げる。途中シートワークが悪く、ウインチを一つ水葬してしまった>M氏ごめんなさい

 ランニング一本でフィニッシュかと思いきや、途中ブローチングを1回、ブローで60度ほど傾く怖い思いを二回する。ジャイブが入ったとき、舷側スタン側に中腰でいたのですが、ブームが頭上1cmほどをフルスイングで通り過ぎていきました。

 「・・・バングけっこうきつく入ってるやんけ・・・」

 もう少しでこちらも水葬されるところでした(^-^)v <って笑い事じゃない・・・やっとバングを緩められましたが、意識がスピンに全員いっていたからでしょう。

 3時間と7分、後ろから三艇ぐらいでフィニッシュかな、とりあえずビールでお疲れ様、喉からからでした。

乗艇ノートにカキカキ  ハーバー向かいの婆さんがやってる食堂で干物をつまみに遅いランチを摂る。あとはてきぱきと片付けて、キャプテン、クルー一人、こちら三人で近くの温泉街の銭湯へ寄る。(何温泉だか忘れた)(※たしか伊豆長岡温泉だった気がしますbyしょうきち)

 古いたたずまいの銭湯で、源泉を引いているので、熱いがとてもいいお湯で我々大いに気に入る。それに300円という嬉しい金額。手ぬぐいがないといったらおばちゃんがタオルをくれたし、シャンプー石鹸も貸してくれた。キャプテン曰く、数十年通っているけど、いま までそんなことがないとのこと。でも人情が沁みます。

 この後キャプテンの運転する車でこのあと新百合ヶ丘まで送ってもらいました。初めてクルーザーレースというものを経験、面白かったね、また行こう!

 次回は3月第二週です。



文責:E
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